【経営コラム】「会社(経営)の健康診断」を行ってください。(上)
…企業が患う4大疾病は!対策は!
会社(経営)の健康状態を診断してみましょう。
※毎年この時期にお願いしています。
人間には病気を確認する健康診断と、病気を治療する医療の仕組みがあります。
一方、会社に同様の仕組みはありません。
病気になっても気付かず、治療することもできません。そもそも会社の患う病と言う概念すらありません。企業の病と治療法について検証してみましょう。
■企業の患う代表的な病は、以下の4つです。
◆病名1:分散症候群 …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:前のめり症候群…有病率30%
◆病名4:お人好し症候群…有病率60%
以下に、会社の患う4大疾病の自己診断チェックシートを提示します。該当する項目に✓を付けてください。
■会社の患う4大疾病症状診断19項目
1.社内の動きが悪いと感じる。
2.オペレーションのミスが多いように感じる。
3.経営コストが割高になっている。
4.商品、サービスが総花的で特徴がない。
5.頑張っているのに儲からない。
6.新しい商品、サービスを創造できていない。
7.利益は出なくて良い、と思うことがある。
8.値上げをしたいと思っていてもできない。
9.ぎりぎりの経営をしていると感じる。
10.毎日が緊張の連続で疲れる。
11.少し売上が落ちるとすぐに経営が厳しくなる。
12.資金繰りに追われている。
13.攻めすぎているかも、と感じることがある。
14.攻めすぎたと反省している。
15.自分はお人好しだと思う。
16.自分は従業員に甘いと思う。
17.自分の判断は、どちらかと言うと甘いと思う。
18.自分の判断は、どちらかと言うと曖昧だと思う。
19.自分はNOと言いにくい性格だ。
◆病名1:分散症候群(診断項目1.~4.に該当)
○商品やサービスの幅を広げ過ぎて、マーケティングが曖昧になる病です。『誰に』『何を』売るかがぼやけてしまっています。
○原因
商品の品揃えやサービスの幅を持たないと売れないとの思い込みが原因です。企業は何もないところから始まります。このステージでは品揃えや幅の強化が必要です。しかし、一定のレベルを越えたあたりから、商品の品揃え、サービスの幅、事業領域を絞りながら成長を遂げるべきです。拡大は面を広げることではなく、面を狭めて深堀することです。このあたりが誤解されています。だからこの病気が蔓延するのでしょう。
○症状
経営資源が分散され、社内のありとあらゆるものが複雑になるため、動きが悪くなります。対応が遅くなり、ミスが多発し、全体にコスト高になります。各商品やサービスの磨きこみも十分でなく、総花的な品揃え、サービスを提供しており、これと言った強みもありません。
○対策
すべてを単純(Simple)にしてください。
・減らしてください。絞り込んでください。
・自社の強み(ツキ)を探して特化してください。
経営者は事業の幅を広げ過ぎる傾向にあります。絞ることが重要です。また、会社の仕組みは自然と複雑になりがちです。単純(Simple)化が必要です。
◆病名2:安売り症候群(診断項目5.~8.に該当)
○値決めに対する姿勢が弱気で、利益管理も曖昧になる病です。
○原因
安くないと売れないとの思い込みが原因です。良いものは相応の値段を、それなりのものはそれなりの値段を付けてください。良いものを安く売る必要はありません。原価が上がれば価格を見直す、この当たり前の企業行動を取らなければ、利益がどんどん減ります。利益が薄くなればなるほど、良いものを作ろうとする知恵や創造力を失います。最後は、薄利は善、利益は悪の心境に陥ります。こうなると末期です。
○症状
二つのレベルに分かれます。繁盛貧乏のレベルが第一段階です。このレベルは頑張っているのに値決めを間違えていて儲からない状況です。この段階では価格の見直しを行えば容易に治癒できます。第一のレベルを続けていると、頑張っても儲からないと思い込み、頑張る意欲、より良いものを創造しようとする力を失くしてしまいます。最後には、儲からない自分を正当化するために、儲けは悪、儲からないことが善、ビジネスそのものを否定するようになります。
○対策
高収益(Profitable)な企業作りを目指してください。
・付加価値の向上を目指してください。
・利益管理を徹底してください。
・コストを抑えてください。
・値決めを再考ください。
事業は付加価値の向上を求めつづけることでのみ継続できます。値決めは重要な経営判断です。安売りは悪です。利益を計り、利益を求めてください。また、コストは自然に膨らみます。意識して抑え込んでください。高収益(Profitable)な企業体作りを強く意識してください。
…次回に続きます。
※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。