【お役立ち情報】介護支援取組助成金の支給要件変更について


…介護休業制度の導入・周知の他に年休取得要件等が追加されました

平成28年4月に新設された「介護支援取組助成金」の支給要件の見直しがありました。見直し後の要件として、これまでの介護休業制度を従業員に周知するためのアンケート調査や社内の勉強会の実施に加えて、
◇介護休業に関する法律を上回る社内制度の導入
◇年休取得の促進と残業時間の削減
が追加されました。

その他の要件にも細かな条件が追加されています。概要をみておきましょう。

■支給額
1企業1回のみ:60万円(変更なし)

■主な支給要件
以下の手順に沿った取組が実施されていることが要件です。

(1)従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握
原則として、雇用する雇用保険被保険者全員を対象に、厚生労働省が指定するアンケート用紙によるアンケートを実施し、結果を所定の報告書にとりまとめる。
※アンケートの回収率が3割以上または回収数が100以上であることが条件です。

(2)介護休業関係の社内制度の見直し
厚生労働省の指定するチェックリストにもとづいて社内制度の確認・見直しを行い、さらに次のような法律を上回る制度を導入する。
〇介護休業の取得回数について、法律を上回る回数とする。
〇介護休業期間の全部または一部を有給扱いとする、など。

(3)介護に直面する前の従業員への支援
厚生労働省が指定する資料にもとづいて社内研修を実施してその結果を記録し、従業員に所定のリーフレットを配布する。
社内研修は、1時間以上の研修で質疑応答の時間を設け、雇用保険被保険者の8割以上が受講することが条件です。

(4)介護に直面した従業員への支援
仕事と介護の両立に関する相談窓口を設置して、その旨を従業員に周知する。
相談窓口の担当者の氏名、電話番号、メールアドレスなどが特定できるようにしておく必要があります。

(5)働き方改革
上記(1)から(4)の取組を実施した後の1か月以内の任意の日から3か月の間に、原則として次の2つの水準を満たすことが必要です。
◇3か月間における従業員1人あたりの平均年休取得日数が前年同期間を2日以上上回っていること。
◇3か月間における従業員1人あたりの平均残業時間が前年同期間の平均残業時間を15時間以上下回っていること。
※比較対象となる前年同期間の実績を把握していない、または対象となる従業員がいない場合は支給対象となりません。

■その他の要件
(1)介護休業の制度および所定労働時間の短縮等の措置について、就業規則または労働協約に規定していること。
(2)仕事と家庭の両立支援についての取組を紹介する「両立支援のひろば」というサイトに介護休業関係の両立支援の取組を登録すること。
※「両立支援のひろば」https://www.ryouritsu.jp/

支給要件が厳しくはなりましたが、介護離職を予防するために、助成金を活用して仕事と介護の両立に関する雇用環境の整備を検討されてはいかがでしょう。