【実践コラム】『設備投資及び設備資金調達時の留意点』
設備資金の調達に関するご相談の中で比較的多いご質問が、「当社はいくらぐらい調達できますか」というものです。
質問の背景にあるのは、「設備投資の計画を立てるために、調達出来る金額の目処を知りたい。」ということでしょう。
しかし、貸し手の立場からすると、計画が決まっていない段階では検討のしようがありません。
ニワトリが先か卵が先かという話ですが、「借り手が先に計画を立て、必要な金額を決めてから融資を依頼する。」のが正しい順番です。
ただ、「調達できるかどうかも分からないのに、見当違いの計画を立てても仕方ない」という理屈も良く分かります。
あえてお答えするならば、「常識の範囲内で計画を立ててください」となります。「銀行の常識は世間の非常識」等と言われることもありますが、おおよそ常識の範囲内でわかることがほとんどです。
例えば、現在10坪、月商80万円の飲食店を一人で運営している方が、「1億円をかけて150坪のペットショップを出店する」という計画を立てたとします。
世間一般的には、「畑違いの事業への進出」「事業規模の大幅なランクアップ」等を成功させるのは難しいとされています。もちろん例外的に成功できる突出した経営者も中にはいます。
あなたがもしそうであったとしても、貸し手はそのリスクを取りません。
一般的に成功する確率が高いとされる計画を選びます。
あなたがどう考えるかでは無く世間はどう考えるかという目線が必要です。
■設備投資及び設備資金調達の流れ
1.事業計画を立て、計画に必要な金額を算出する。
2.計画に必要な資金のうち自己資金と借入の割合を考える。
3.資金繰り計画を立て、借入の返済が可能かどうかを確認する。
上記の結果、返済が可能な資金繰り計画が出来上がれば、事業と借入のバランスがとれていることになります。
ただ、この時に気をつけたいのが売上の見込みです。
あなたが突出した経営者であっても、近隣同業他社と比較して、
一般的に可能と思える数値を見込みとしてください。