【実践コラム】上手くいく起業
…起業したばかりの経営者が持つべき最初の財務目標について。
事業を安定して伸ばすためには、しっかりとした財務基盤が欠かせません。起業したばかりの経営者は、最初の財務目標をどのように設定すればよいのでしょうか。本日は、成功への道筋を示す重要な財務目標について解説します。
1.売上の20%程度の利益剰余金の確保を最初の財務目標とする
最初の、そして最も重要な財務目標は、健全な利益剰余金を積み上げることです。具体的には、売上の20%程度を利益剰余金として確保することを目指しましょう。この目標には深い意味があります。
- 安全性の確保:予期せぬ経済変動や一時的な業績悪化にも耐えられる財務体質を作ります。
- 債務超過の回避:大きな赤字が発生しても、会社の存続を脅かす債務超過を避けられます。
- 成長投資の原資:将来の事業拡大や新規投資に必要な資金を確保できます。
この20%という数字は、多くの業種で適用可能な柔軟な指標です。ただし、業界特性や会社の状況に応じて調整してください。
2.適切な運転資金の確保
日々の業務を滞りなく行うための運転資金の確保も重要です。一般的には、3~6ヶ月分の固定費をカバーできる現金を常に持ち続けることを目指しましょう。
- 資金繰りの安定:突発的な支出や売上の変動にも対応できます。
- 機会損失の回避:魅力的なビジネスチャンスを逃さずに済みます。
3.売上と利益の安定成長
起業初期は変動が大きいものですが、徐々に売上と利益の安定成長を目指しましょう。財務目標は前年対比で成長や改善が分かるように設定します。
- 月次売上の前年同月比5%増
- 営業利益率の毎年0.5%ポイント改善
といった具体的な数値目標を設定することで、着実な成長を実現できます。
4.適切な納税
起業したばかりですぐに節税をしようとする経営者がいます。
会社を一定の規模まで成長させたいと考えるなら、節税よりも利益剰余金の確保を目指しましょう。節税は目標とする利益剰余金が確保できた後に取り組むのがベターです。
- 納税額が少ない会社=利益が小さいもしくは赤字の会社は、財務基盤が弱いため、金融機関からの借入が難しくなります。
これらの財務目標は、あくまでも出発点です。定期的に見直し、会社の成長段階や市場環境の変化に応じて調整してください。また、これらの目標を達成するためには、日々の財務管理が欠かせません。
- 月次での財務諸表の確認
- キャッシュフロー管理の徹底
- 予算と実績の比較分析
これらを習慣化することで、財務目標の達成に向けて着実に前進できます。明確な財務目標を持ち、それに向かって努力を重ねることで、必ず成功への道が開けます。
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