【実践コラム】資金調達力の養い方
…日常的に備えることが秘訣です。
中小企業の成長は、社長の資金調達能力にかかっていると言われます。では、資金調達力を向上させるには、どのような能力が求められるのでしょうか。以下で解説します。
■ 資金調達力とは
資金調達力とは、必要な資金を適切なタイミングで確保し、その資金を効果的に活用して事業を展開する能力を指します。成長資金の確保だけでなく、適切なタイミングでリスケを行い、手元資金の調整を行うことも資金調達力と考えられます。
■ 資金調達力を身につけるためには
中小企業の資金調達先は銀行等の金融機関が主となるため、金融機関と円滑な関係を構築することが最も重要な方策となります。資金の出し手となる金融機関と決して敵対してはいけません。
■ 金融機関との円滑な関係の築き方
- 経営者の魅力:金融機関は経営者の人物像を見ています。礼儀やマナーに気をつけるのはもちろん、事業に対する情熱、真摯で前向きな姿勢を金融機関に伝えることが大切です。
- 信用履歴の構築: 金融機関は信用履歴を重視します。定期的に融資返済を行い、支払いを滞らせないことで、良好な信用履歴を築くことができます。
- 財務内容の健全性: 金融機関は財務内容を重視します。業績はもちろん、社長への貸付金など、不健全な資金の使い方をしていると信用を失います。バランスシートや損益計算書を健全に保つことが求められます。
- 資金繰り管理: 金融機関は手元資金が少なすぎる企業を敬遠します。そのため、資金計画をしっかりと立て、常に資金に余裕を持った経営を行う必要があります。
- 最低限の財務管理品質:金融機関が望む資料をどれぐらい迅速に提出できるかも重要です。主に試算表ですが、依頼された時に、少なくとも前々月までの分はすぐに提出できるようにしておくと良いでしょう。
- 適切な金融機関選び: 自社のニーズに合った金融機関を選ぶことが重要です。各金融機関の融資条件や金利、サービス内容を比較し、自社のビジネスモデルや成長戦略に最適な金融機関を選択しましょう。
お客様のほとんどは、資金調達のニーズが発生してからご相談に来られます。ご自身でそれなりの準備をしてこられた方は問題ありませんが、中には準備をすることなくご来所される方もおられます。受験の準備を全くしていない方から「明日の受験に受かる方法を教えてくれ」とご相談されるようなものですので、その場で対応するのは難しくなります。ただ、明日の受験は無理でも、来年の受験に受かる方法をお伝えすることはできます。資金調達の必要性が生じてからではなく、日常的に資金調達に備えることが、資金調達力を強化する秘訣です。
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