【実践コラム】よろず支援拠点について
…経営上のあらゆる相談に無料で対応する国が設置した機関です
「よろず支援拠点」とは、その名前のとおり、中小規模事業経営者の、経営上のあらゆる相談に乗ってもらえる無料の経営相談所です。
よろず支援拠点は、平成26年6月に改正された小規模企業基本法に基づき、地域経済や雇用の重要な担い手である小規模事業者のために設置された相談窓口です。
以前から小規模事業者の相談対応を担う支援機関はありましたが、機関や地域ごとに、支援のレベル・質・専門分野、活動内容等にバラツキが見られました。よろず支援拠点を各都道府県に整備し、地域の支援機関と連携することで、相談体制の質や幅の向上を図ることが狙いのようです。
よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者の起業から安定までの各段階のニーズに応じて①既存の支援機関では十分に解決できない経営相談に対する総合的・先進的な経営のアドバイス、②事業者の相談に応じた「適切なチームの編成」、③案件に応じた「的確な支援機関等の紹介」といったきめ細かな対応を行うことができます。
中小企業庁が発表した少し古いデータですが、よろず支援拠点には、平成26年6月から平成28年9月までで約42万件の相談があり、各都道府県とも増加傾向にあるようです。相談内容は、売上拡大が56.8%で最も多く、次に経営改善・事業再生が12.5%、続いて創業相談が11.4%、事業承継1.9%、廃業0.3%となっています。具体的には補助金等の施策活用から、事業計画策定、販路提案、IT活用、知的財産等、多岐に渡っています。
中小企業の経営者は、営業、財務、人事、経営企画等の役割を一人で担っているケースが多く、求められる知識が多岐に渡ります。また、日々の悩みもつきませんが、気軽に相談できる相手も多くありません。もちろん、専門家に有料で経営相談をするのも選択肢のひとつですが、費用を捻出できない、そもそも誰に依頼してよいかもわからないという場合はよろず支援拠点を活用してみてはいかがでしょうか。
■よろず支援拠点の一覧
https://yorozu.smrj.go.jp/base/