【実践コラム】金融機関対応にストレスを感じないために
…各金融機関の特性を理解しましょう
金融機関の普遍的な融資の可否判断は、「返済してもらえるかどうか」ですが、審査の仕方は、金融機関毎に若干違っています。主に決算書だけで判断をする金融機関もあれば、個人や家族のことまで詳細に聞きとりをする金融機関もあります。それぞれの金融機関の特性を知ることで、余計なストレスを感じることなく対処できます。
金融機関の種類を大きく分けると、メガバンク、地方銀行、信金信組、政府系金融機関になります。いずれの金融機関も商品は融資(お金)ですが、金融機関ごとに価格(金利)と審査の方法は異なります。
総じて価格(金利)が安いのは、メガバンクと政府系金融機関です。同じ商品であれば、当然価格が安いところにお客様は集まりますので、メガバンクは多くの見込み客の中から融資先を選定することができます。よって、メガバンクは、数多くの見込み客の中から、無理をせず、信用力の高い企業とだけお付き合いをしようとします。
一方、仕入れコストが高い信金信組は、価格(金利)でメガバンクに勝てません。メガバンクから低い金利で融資を受けられる大手企業が、わざわざ高い金利で融資は受けませんので、信金信組は、メガバンクが融資をしない小規模企業の中から融資先を探すことになります。
企業の信用力が違えば審査の方法は変わります。信用力の高い大手企業を中心に融資を行っているメガバンクの審査はシンプルです。決算書を見て、一定の企業規模があり、業績や財務内容が良ければ融資をします。一定の企業規模がない、もしくは決算書の内容が悪い場合はお断りします。
一方、一定の規模がない、もしくは決算書の内容が超優良ではない小規模企業を主な顧客とする信金信組の審査方法は、メガバンクとは違います。メガバンクのように、決算書だけで審査をしていては、融資をする先がいつまでも見つかりません。よって、社長個人、配偶者や子息の資産状況等も調べ、融資出来る材料を踏み込んで探し出そうとします。
個人的な家族構成や資産状況等を詳細に聞かれるのは、気持ちが悪いと感じるかもしれません。中には、金融機関に情報を与えすぎるのは良くないと考え、あえて虚偽の申告をする方もおられます。しかし、このような背景が分かっていれば、「今まで一度も個人資産のことなど聞かれたことなどない!」と怒ることはなくなるのではないでしょうか。
金融機関のカラーは、規模の大小だけでなく、同じ規模の金融機関同士でも違います。各金融機関の特性を理解することで、上手に金融機関と付き合えるようになります。現在、金融機関に対してストレスを感じておられる方は、是非、当事務所にご相談ください。