【経営コラム】重要な経営法則(その9)


26.コントロールするのか?適合するのか?(SP経営協会)
27.低粗利益率のビジネスは、小資本企業には不向きです。(SP経営協会)
28.ナンバーワンよりオンリーワン、アッパーニッチ戦略を!(SP経営協会)

…前回からのつづきです。

中小零細企業におけるその経営の良し悪しは、そのほぼ100%が経営者一人の力量によって決まります。また、その力量の一つは知見の有無です。知っているか知らないかです。(別次元で行動力の有無等がありますが、別の章に譲ります。)
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほんの一部を紹介します。

■コントロールするのか?適合するのか?(SP経営協会)

○経営の対象には…
◆1:コントロールできる事
◆2:頑張ればコントロールできる事
◆3:コントロールできない事
の三つがあります。

○経営を安定・成長させるためには…
◆1:コントロールできる事を完全にコントロールする事
◆2:頑張ればコントロールできる事をできるだけコントロールする事
◆3:コントロールできない事には、できるだけ適合する事
※特に、時流には積極的に身を預けるぐらい適合する事が重要です。絶対に逆らってはいけません。

コントロールできる事をコントロールしない事を『放漫経営』と呼びます。
頑張ればコントロールできる事をコントロールしない事を『怠慢経営』と呼びます。
コントロールできない事をコントロールしようとする事を『独り善がり経営』と呼びます。
さらに、時流に逆らう経営は『最も愚かな経営』です。

■低粗利益率のビジネスは、小資本企業には不向きです。(SP経営協会)

粗利益率は外部との関わり度合いで決まります。
粗利益率20%、これはエンドユーザーに届くまでの役務・価値の内の、80%は自社以外が担っている・生み出していることを意味します。同様に、粗利益率50%はその関わり度合いが50%、粗利益率100%はそれが100%であることを意味します。

◆粗利益率100%が必ずしも優ではありません。
粗利益率100%とは、ユーザーに商品やサービスを届けるまでに、他人の力を借りないことを意味します。良く言えば自前主義、悪く言えば協業ができない、故に、一般論として粗利益率100%のビジネスは大きくなりません。

◆ただし、低粗利益率のビジネスは、小資本企業には不向きです。低粗利益率のビジネスは、大資本家向けです。他人の知恵と、自身の資本力・資金力をうまく活用して利益を上げます。金融業や商社がこれに該当します。
一方、小さな資本しか持ち合わせていない中小・零細企業や独立開業者は、「金は無いけど知恵を使う」ビジネスを行っていかねばなりません。その多くを他人の力に頼る低粗利益率ビジネスで成功することはできません。極めて難解です。
小資本企業にとっての適正な粗利益率とは…(感覚論で恐縮ですが、最低でも)40%以上を目指してもらいたいと思っています。

■ナンバーワンよりオンリーワン、アッパーニッチ戦略を!(SP経営協会)

今ないモノ、あっても注目されていないモノ、マーケットが小さすぎて大手が参入しにくいモノを対象とするビジネスは前途洋洋です。

◆ナンバーワンよりオンリーワンを目指しましょう。
ナンバーワンは、競争に勝って一番になることです。オンリーワンは、競争せずに一番(?)になることです。競争しないためには、他人・他社と違うこと、世の中にないことを行うことです。お金・人・モノ、これらの経営資源の乏しい会社こそ、競争しない経営を心掛けるべきではないでしょうか?小規模零細企業、または、これから独立開業される方こそ、この発想が重要です。

◆ほんの少し目先を変えて考えてください。
誰もが腰を抜かすような、画期的な商品やサービスを開発するに越したことはありませんが、容易ではありません。いきなりこのようなことができる会社・社長は稀有です。そうではなく、今取り組んでいる事業の、ほんの少し目先を変えて、どこにもないモノ・コトを開発しましょう。

◎高額商品でオンリーワンになる、アッパーニッチ戦略は現実的です。
一本(3斤)3,000円を超える食パンをネット通販で販売しておられる会社様があります。こんなに尖った食パンを求める顧客は多くありませんが、ネットを使って全国に展開すれば、年商5億円~10億円(推測)ぐらいのパンメーカーが生まれます。多分高収益なはずです。まさに、『新・食パン』メーカーです。ネット通販は、大きな商圏に対して、尖った商品を限定した顧客を対象に販売するのに最適です。とんでもない高額品・サービスを開発してみてはいかがですか?
※ネット通販環境の進化は、大商圏に向けて小資本でビジネスを展開することを可能にしました。

…次回につづく

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。