【経営コラム】経営体が患う4大疾病の『お人好し症候群』という疾病の正体は…(その4)
…判断が緩く、マネージメントが甘くなる病です。
…前回号からのつづきです。
■創業者~中小企業までの経営者は、社長でありかつ現場のリーダーです。
大企業の社長とは違います。
その指示・命令は、概念的な「フワッとした」曖昧な内容ではなく、明瞭でなければなりません。指示の曖昧な社長は少なくありません。また、頼まれ事に「NO」と言えない(断ることができない。)社長も少なくありません。さらに、従業員に嫌われたくないとの思いからか、その距離を詰め過ぎる社長、嫌ごとや厳しい事を言えない社長も少なくありません。
この様なトップの率いる経営体は、組織自体がすべてにおいて緩く・甘くなっています。
■この様な、緩い・甘い経営体を『お人好し症候群』と呼びます。『お人好し症候群』の経営体は、以下のような状況です。
1.自分の判断は、どちらかというと甘いと思う。
2.自分の判断は、どちらかというと曖昧だと思う。
3.自分はNOと言いにくい性格だ。
4.自分は自分に甘いようだ。
5.自分は従業員に甘いようだ。
6.従業員は他の従業員に甘いようだ。
7.自分はお人好しだと思う。
いかがでしょうか?
■病名:『お人好し症候群』を整理します。
○判断が総じて甘く・緩くなる病です。
○原因
胆力の欠落と人の好さが原因です。胆力は長期間、長時間は継続できません。また、人の好さが災いして、嫌なことを先送りしがちです。胆力の維持できる範囲内で判断する、嫌なこと、厳しいことを臆さずはっきり口に出す、これを意識しないと、甘い・緩い経営になってしまいます。
○症状
すべてが緩慢になっています。仲良し倶楽部になっています。早期の治療が必要です。
※企業経営はぴりぴりと張り詰める緊張感の中で行うものです。一つ一つの判断が生死を分け、どちらかというと楽しいことより嫌なこと、厳しいことが多いはずです。
■『お人好し症候群』への対応は…
人の好さは、会社に『甘さ』『緩さ』を蔓延させ、会社を破滅に導きます。心に一匹の鬼を持って経営判断を行ってください。厳しいことを臆さずはっきり口に出す、NOならNOとはっきり言える経営者であってください。また、数値管理を最小単位まで落とし込んでください。数値を判断基準にすると、曖昧さは減少します。
○対策
経営判断を明確に(Clearly)にしてください。
・経営判断に『甘さ』『ゆるさ』を持ち込まないでください。
・NOといえる経営者になってください。
・数値(目標、結果)管理を最小単位で徹底してください。
■経営体は大きく4つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。
◆病名1:分散症候群 …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:前のめり症候群…有病率30%
◆病名4:お人好し症候群…有病率60%
◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。
【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を維持すること。
◆第4条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。
経営体が患う4大疾病について、自問自答してください。そして、対応してください。
※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。