【経営コラム】経営判断は、とことん理詰めで行ってください


…絶対にやってはいけないことは、曖昧な形で伝わってくる、無責任な世間の間違え常識を鵜呑みにすることです。

■社長は日々多くの判断をくだしています。

過去の経営判断の集積が現状であり、これからの判断の結果が未来の経営成績に反映されます。
判断の精度が原因、経営成績が結果、タイムラグを経て明確な因果関係が生まれます。

■社長は、何を基準に経営判断を行っているのでしょうか?

理詰めで考えて判断する以外に方法はありません。
常に自身の頭の中で考えを突き詰めて、論理に沿って判断すべきです。それ以外に方法が見当たりません。
絶対にやってはいけないことは、曖昧な形で伝わってくる、無責任な世間の間違え常識を鵜呑みにすることです。

■曖昧な形で伝わってくる、無責任な世間の間違え常識とは…

◎間違え常識1:経営の生産性向上のためには、改善することだ。
⇒違います。止めることです。

◎間違え常識2:従業員が忙しい。
⇒違います。マネージメントが雑なだけです。

◎間違え常識3:社長が忙しい。
⇒違います。余計なことをし、コントロールできないことを考えているからです。

◎間違え常識4:社長は、急ぎで重要なことに専念すべきだ。
⇒違います。社長の仕事は、急ぎでない重要なことへの対処です。

◎間違え常識5:人間は色々なことに同時に対処できる。
⇒違います。人間はマルチタスキングが出来ないようにできています。

◎間違え常識6:お金は、お金が必要な時に借りる。
⇒違います。お金は、借りられる時に借りられるだけ借りることです。

◎間違え常識7:借入れは少ない方が良い。
⇒違います。そうでないことも多いです。

◎間違え常識8:取引する銀行は大きな銀行が良い。
⇒違います。取引する銀行は分相応が良いはずです。

◎間違え常識9:創業時、自己資金が底をついて資金が逼迫するタイミングで資金調達する。
⇒違います。デスバレーに突入する前の創業初期か、デスバレーを抜け切った黒字転換後しか調達できません。

◎間違え常識10:現状の厳しさを強調して、金融機関に融資を依頼する。
⇒違います。返済できる根拠を書面で示して依頼するべきです。

◎間違え常識11:マーケットインこそすべてだ。
⇒違います。プロダクトアウトこそ重要です。

◎間違え常識12:収益性の良し悪しは、マネージメントやマーケッテングで決まる。
⇒違います。その前に事業立地・ビジネスモデルの良し悪しが重要です。

◎間違え常識13:売れないので価格を下げる。
⇒違います。価格を売る道具に使ってはいけません。

◎間違え常識14:売上こそ経営の肝だ。
⇒違います。利益の方が重要です。

◎間違え常識15:協業先を早く作りたい。
⇒違います。その前に自立することです。

◎間違え常識16:十分な費用を費やして最高の管理を行うことが重要だ。
⇒違います。最適な管理を最小のコストで行うべきです。

◎間違え常識17:従業員に好かれたい。
⇒違います。好かれる社長のいる会社は総じてうまく行っていません。

◎間違え常識18:衆知の経営を行いたい。
⇒違います。小さな会社は独断こそ正です。

◎間違え常識19:能力の限界まで出世させてあげたい。
⇒違います。能力の限界の手前に留めるべきです。

経営判断は、とことん理詰めで行ってください。絶対にやってはいけないことは、曖昧な形で伝わってくる、無責任な世間の間違え常識を鵜呑みにすることです。
上記の間違え常識に対するコメントも、本当は間違えかも知れません…とことん理詰めで考えてください。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。