【実践コラム】融資申込時のセルフチェック


…違和感のないストーリーに仕上がっているかをご確認ください

資金調達を成功させるためには、資金使途、事業計画、返済原資等のポイントを明確にしたうえで、一貫したストーリーに仕上げておく必要があります。
これを案件構築といいます。

以下、一般的なストーリーの流れをご紹介します。

■ 第1章:自己紹介
ストーリーの始まりは自己紹介です。どのような思いや目標を持って取り組んでいるのか。今までの実績はどうなのか。現状はどうなのか。といった点を説明します。

■ 第2章:資金の使い道
第1章で説明したこんな私が、次に何をしようとしているのか。そして、その取り組みにはどれぐらいのお金が必要になるのか。といった点を説明します。具体的には、「新店舗を出店したい。」「仕入を増やしたい。」「人員を増加したい。」といった内容です。

■ 第3章:事業計画
第2章で説明した取り組みを行った結果、今後はどのような姿になるのかをまとめます。具体的には、売上、利益、資金繰り等が、現状と比較してどのように変化するのかを明確にします。

■ 第4章:どうやって返済をするのか
返済が可能な理由を、第3章で示した売上増加額、利益増加額を用いて明確に説明します。

小説ではありませんので、融資申し込み時のストーリーに奇想天外な展開は必要ありません。誰が聞いても違和感のないストーリーが求められます。

良く見られる奇想天外なストーリーとは、私は建築屋ですと自己紹介しておきながら、第2章でラーメン店を出店したいとなっていたり、ラーメン店を出店したいと言いながら、融資申し込み金額が一般のラーメン店の投資額よりはるかに大きかったりします。

建築屋さんがラーメン店をやってはいけないと言っているのではありません。建築屋さんがラーメン店をやろうと考えるに至ったストーリー、普通のラーメン店よりも大きな投資をしようと考えるに至ったストーリーをしっかりと構築しなくてはならない、という意味です。

これから融資の申し込みをしようと考えている経営者様、上記の流れに沿って案件説明をした場合、聞き手が違和感なく聞くことができるストーリーに仕上がっているかをご確認ください。