【実践コラム】事業規模を拡大させるための資金を調達するポイント
…創業後3年以内に累計で1億円を調達した企業が複数あります
事業規模を拡大するためには、営業力に加えて資金力が必要です。しかし、金融機関は、今現在の事業規模に見合った融資を原則としていますので、将来のための成長資金を獲得するのは、少しハードルが高くなります。
もちろん、成長資金の融資を全く行わない訳ではありません。新店舗を出したいと言えば、計画を精査して融資をしてくれますし、月商1,000万円の企業が、月商1,500万円を目指すための増加運転資金も融資してくれます。しかし、3店舗分をまとめて融資することはありませんし、月商1,000万円の企業に対して、月商5,000万円を目指すための増加運転資金を融資することもありません。
銀行が成長資金を少しずつ提供する理由は、スピードよりも着実に成長することを好むためです。しかし、経営者は、銀行の想定しているスピードよりも早く成長したいと考える方が多いため、銀行の姿勢に苛立ちを感じてしまいます。
銀行から成長資金を多めに獲得するためのポイントは、以下になります。
1.小さくても良いので黒字の実績を作る。
2.自社のビジネスモデルを銀行に良く理解してもらう。
3.自社のお金の流れを銀行に良く理解してもらう。
4.手元資金が増えれば、自社の売上、利益、資金がどのように増えるかを資金繰り表などで具体的に示す。
5.目指している将来像を銀行に良く理解してもらう。
6.上記の活動を複数行に対して行う。
決算書と試算表を持参して普通に融資を申し込んでも、現在の実績に応じた融資しか実施してくれません。上記のポイントに沿って説明し、成長の意志を明確にしてください。また、1行よりも複数行に説明を行うことで、健全な競争原理が働き、結果として自社の事業規模よりも、少し多めの資金を手にすることができます。
弊所が財務部長の代行を行っている企業様の例ですが、創業後3年間で、累計約1億円の調達を行った企業が複数あります。資金を調達して業績を伸ばし、さらに大きな資金を調達してさらに大きく業績を伸ばす、好循環経営を実現しています。