【実践コラム】事業実績と事業計画書の関係について


…突出した事業実績があれば、事業計画は薄くて済みます

銀行から事業計画書の提出を求められることがあります。事業計画書は、本来銀行のためではなく自社のために作成するものですが、実際に事業計画書を作成している中小企業は極めて少ないため、銀行にうながされて、初めて事業計画を作成される社長様も多いと思います。
本日は、金融機関に提出することを前提とした事業計画書の作成ポイントを解説致します。

■ 事業計画書作成の要点
初めて計画書を作成するにあたって最も困ることは、「どのような点に気をつけるべきか分からない。」ということではないでしょうか。
金融機関が事業計画書を読んで最も知りたいことは「貸したお金が返ってきそうか」という点です。
よって返済が可能であることを、必ず計画書に盛り込む必要があります。
具体的には、利益(数値)計画書を作成し、償却前利益が融資の約定返済額を上回ることを示します。

■ どれぐらいのボリューム感が必要か?
次に悩むのは、「どれぐらい詳しく、またどれぐらいたくさん資料を作成すべきか。」ということではないでしょうか。
金融機関向け事業計画書の分厚さは、これまでの事業実績によって変わります。
業績が好調で財務内容も良い会社は、計画書が薄くても構いません。
極端なことを言えば、利益(数値)計画書1枚だけでも通ります。
しかし、現状の業績や財務内容が悪い場合は、(今まではこれだけしか無かった)売上が、今後これだけ伸びると考える根拠は~とか、経費が今後これだけ削減できる根拠は~といった補足説明が必要になりますので、必然的に計画書は分厚くなっていきます。

事業計画書作成のポイントをまとめます。
まずは利益(数値)計画書により机上で返済が出来ることを示します。
次に、この利益(数値)計画が机上の空論ではないことを説明します。
その際に、既に立派な実績を上げていれば多くを語る必要もありませんので、計画書は薄くて済みます。

事業計画書の要点は未来の姿を数値で表した利益(数値)計画書です。
利益(数値)計画は結果ですから、結果を得るための原因(ストーリー)を厚く積み重ねることで信ぴょう性が増します。
良い事業計画書を作成するためには、このストーリー構築力が求められます。

当事務所では金融機関向けの事業計画書作成に関して、多くの実績を有しております。
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