【実践コラム】設備資金融資の審査ポイント


 …金融機関の融資判断ポイントを知り、自社の投資計画に役立てましょう

店舗を出店する、機械を購入する、工場を建設する、といった設備資金は、企業の成長や発展に欠かせないものです。
しかし、投資金額が大きく、見込み通りに収益が得られない場合は大きなダメージを受けるため、金融機関の対応も慎重になります。
金融機関が設備資金融資の際に着目する点を知り、将来の設備投資計画に活かしてください。

設備資金の融資判断のポイントは、「計画内容の妥当性」「収益見通しと返済の計画」「担保」となります。

■ 計画内容の妥当性
・設備投資の目的は何か。 (新製品や新事業分野への進出、増産、更新、合理化・省力化etc)
・投資を行うタイミングは適切か。(自社の状態、業界の動向 etc)
・投資規模は適切か。 (投資額、生産能力、販売能力 etc)
・投資効果はどうか。 (予想売上高やランニングコストの前提条件は妥当か)
・計画が予定通りにいかなかった場合、それに耐えうる範囲の投資か。
・自己資金はどれくらいあるか。
・借入の割合はどれくらいか。
・各金融機関の調達割合は妥当か。
・設備投資後の売上増加による増加運転資金の対策はどうか。

■ 収益見通しと返済の計画
・投資後の売上高と原価(品目別販売価格、生産コスト、生産 能力、販売政策の)妥当性
・販売管理費(人件費、販売費計画)の妥当性
・営業外収支(金利負担に耐えられるか)の検証
・減価償却費(償却方法と耐用年数)の検証
・キャッシュフローの検証(返済額と比較して検証)

■ 担保・その他
・担保は投資対象物件が原則だが、不足する場合は他の不動産を徴求する。
・融資金が資金使途通りに使われるようにトレースする。
・金利収益等の取引メリットを検証する。

設備投資の失敗は、経営を大きく傾ける要因にもなります。金融機関の融資審査ポイントは、設備投資の注意点としてそのまま活用できますので、上記のポイントを押さえ、無理のない設備投資計画を心掛けましょう。