【実践コラム】利益を確保するために
…持続可能な利益を確保するためのアプローチを考えます。
あらゆる業種で原価や人件費が高騰しており、中小企業にとっては利益の確保がますます難しくなりつつあります。利益は、財務面において最も重要な指標となりますので、この波に上手く適応できるかどうかが、企業の存続にとって重要な分かれ道です。
本日は、中小企業が実践できる効果的な値上げ戦略について考察します。
CoCo壱番屋は2019年から3年間で4回の値上げを実施し、客単価を1000円以上に引き上げることに成功しました。その結果、売上高は約515億円から約551億円に増加しています。成功の要因は高付加価値化戦略にあります。例えば、期間限定の「スパイスカレー」(1,000円前後)を導入し、通常の600円程度のカレーとの差別化を図りました。これにより、顧客に「ちょっとした贅沢」という特別感を提供しつつ、高単価商品の販売を促進しました。
一方で、単純な値上げは顧客離れを招く可能性があります。例えば、理由を明確に説明せずに突然値上げを行ったり、付加価値の向上なしに価格だけを引き上げたりすると、顧客の反感を買う可能性が高くなります。
値上げを行う際に考慮するポイントは下記と考えます。
1.付加価値の創出
中小企業でも、商品やサービスに付加価値を付けることで値上げの正当性を高められます。例えば、食材の産地や品質をアピールしたり、サービスの質を向上させたりすることで差別化を図ります。
2.段階的な値上げ
一度に大幅な値上げを行うのではなく、新メニューや季節限定商品から段階的に値上げを実施します。これにより、顧客の価格感覚を徐々に変化させることができます。
3.透明性の確保
値上げの理由を誠実に説明することが重要です。原材料費の上昇や品質向上のための投資など、具体的な理由を顧客に伝えることで理解を得やすくなります。
4.価格以外の要素のアピール
技術力、品質、納期の正確さなど、自社の強みを明確にし、それらを前面に出して交渉することで、価格以外の価値を認めてもらいやすくなります。
5.新規取引先の開拓
既存の取引先との値上げ交渉が難しい場合、自社の強みを評価してくれる新規取引先を開拓することも有効です。
6.タイミング
世間一般の値上げの時期に合わせて実施することで、顧客の抵抗感を軽減できる可能性があります。
値上げは慎重に進める必要がありますが、適切な戦略と準備を行うことで、中小企業でも成功を収めることが可能です。利益の確保は企業の存続にとって不可欠な要素です。ぜひ知恵を絞り、具体的なアクションを起こしていきましょう。
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