【実践コラム】銀行担当者の心情を察する
…まずは安心させてあげることで相談がスムーズに進みます。
ある社長様が銀行に融資を申し込んだところ、説明をする前から「融資ができるかどうかはお約束できませんが・・・」という発言を何度も繰り返してきたそうです。真面目に聞く気がないようで不快だったとおっしゃっていました。
銀行マンはトラブルを必要以上に嫌います。(あまり関係値もないのに)助けてもらえないと倒産しますと言った深刻な依頼をしてくる、金融知識がなく無理難題を言ってくる、強引で攻撃的な交渉をしてくる等、厄介な人物と思われると、トラブルを警戒して入り口で体よく断られてしまいます。
■銀行マンの本音は深刻な案件に手を出したくありません。
企業がお金を必要とする理由は様々ですが、時には社命がかかっている場合もあります。このような案件で審査がNGとなった場合、(社長様の心情を考えて)銀行マンも相当大きな精神的ダメージを受けます。よって、よほど信頼関係が構築できている社長様の依頼でない限り、深刻過ぎる案件は早い段階でお断りしようと考えています。
■銀行マンは最初から断る可能性を想定して話を聞いています。
深く入り込んだ後にお断りするとトラブルになる可能性が高くなります。トラブルにならなくても、大多数の社長様は不快感を示します。融資ができないのであれば、早いタイミングで断らなくてはと考えているため、ネガティブな情報を早めに聞き出そうとします。前向きな話よりも後ろ向きな話をする銀行マンが多いのは、このような思考が根にあるからだと感じます。
銀行マンに求められる最も難しいスキルが「断る」というスキルです。融資を断るタイミングは、遅すぎても早すぎてもいけませんが、早い方がましです。よって、少しでもネガティブな面が見えると、早々に断ろうとする銀行マンが多くいます。もしくは、こちらの説明の都度、ネガティブな見解を述べて、防御線を張ろうとする銀行マンもよくお見かけします。
このような銀行マンの態度は不快に感じますが、融資が出せなかった時に強く責められることを警戒しているだけかもしれません。銀行マンの心情を察し、仮にNGだったとしてもトラブルにはならないことをまずは安心させてあげることで、融資相談がスムーズに進むと思います。
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