【実践コラム】リスケジュールのポイント
…リスケジュールの対応が以前よりも厳しくなっています
2019年3月に金融円滑化法が実質的に終了しました。それまで金融機関は95%の割合でリスケジュールに応じてきたというデータがありますが、最近はリスケジュールの対応が以前よりも厳しくなっています。
しかし、説明をしっかりと行い必要性を理解してもらえれば今でも応じてもらえますし、そもそも新規融資を受けるより容易です。後ろ向きの話なので相談しにくいという心情は良く分かりますが、ためらい過ぎると取り返しのつかない事態になりますので、資金に不安がある場合はリスケジュールを上手く活用してください。以下、リスケジュールの注意点です。
■ 余裕を持ってアクションを起こす。
数か月後に銀行の口座が空になることが分かっているにも関わらず、安易なリスケジュールは避けたいという気持ちでギリギリまで我慢してしまうケースがあります。本当に手元資金が無くなってからリスケをしても経営改善は望めません。ある程度の資金を持った状態でアクションを起こしましょう。
手元資金に余裕がある段階で金融機関がリスケジュールに応じてくれるのか?という疑問もあるでしょう。しかし、手元資金がゼロに近い状態で企業経営を行うことなどできません。金融機関も当然理解していますので、一定の資金を保有することは認めてくれます。
当事務所が関与しているお客様の事例ですが、年商3億8,000万円で約2,500万円の資金を保有しているにも関わらず、リスケジュールを継続しています。大きな受注を取った際に材料代や外注費の先払いに対応しなくてはなりませんので、手元資金が月商の1か月分程度(約3,000万円)になるまではリスケジュールの対応をお願いするつもりです。
■ 無理な返済をしようとしない。
リスケジュールをすると決めた後、次は返済額をいくらに設定しましょうかという議論になります。「借入は少しずつでも減らしたい。」「金融機関に申し訳ない。」という心情から、少しでも多く返済しようとしてしまいます。例えば、毎月100万円の返済をしていた場合、「せめて30万円だけでも返済します。」といった具合です。しかし、会社にとって、この30万円を率先して返済する合理的なメリットはありません。年間360万円の資金を返済に充てるよりも、商品の仕入とか、営業マンの雇用とか、前向きな資金に使う方が、よほど将来に期待が持てます。
中途半端な金額を返しながらズルズルとリスケジュールを継続するより、返済を一旦止めてしまい、一気に業績回復を狙った方が金融機関にとっても良いはずです。
リスケジュールは、返済を一時的に止めることで将来のキャッシュフローが回復するという前向きな対応策です。金融機関が納得する経営改善計画を立案し、返済を止めてもらう方が結果的に迷惑をかけないという信念を持って交渉にあたりましょう。
当事務所では、リスケジュールの対応が厳しくなった現在でも、返済額0円で応じてもらった実績が多数ございます。
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