【実践コラム】キャッシュリッチな会社の仕組み
…利益だけで手元資金を潤沢にするのは容易ではありません
頑張っているけど儲からない・・・
利益は出ているのにいつも資金繰りが苦しい・・・
何か腑に落ちない・・・
経営を難しくする要因のひとつに、「利益とキャッシュが連動しない。」ことが挙げられます。
いつも資金繰りが苦しい社長様は「儲からないな~」と感じ、手元にキャッシュが残った社長様は「儲かったな~」と感じるかもしれません。
しかし、キャッシュの大小と利益の大小は、多くの場合一致しない点に注意が必要です。
■ ある関与先様を比較します。
A社:
売上高は360百万円で純利益は1百万円しかありませんが、現預金30百万円を保有しています。借入もありません。
B社:
売上高は400百万円で5百万円の純利益を上げていますが、現預金は10百万円しかなく、そのうえ30百万円の借入れがあります。
A社はB社より利益が少ないにも関わらず、手元キャッシュはB社よりも多く残っています。
また銀行借入れもありません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
■ 各社の取引条件を見てみましょう。
A社:売上は末締め翌月末回収、仕入は末締め翌々月5日払い
B社:売上は末締め翌月末回収、仕入は末締め翌月末払い
A社は仕入の支払いを売上の回収より遅らせることで手元にキャッシュを残していました。
A社の買掛金残高は40百万円です。銀行からの借入れはありませんが、
取引先から40百万円を借りていると考えれば腑に落ちるのではないでしょうか。
A社とB社の例は、利益とキャッシュが連動しないことの他に、利益と借入れも連動しないことを意味しています。
「儲からないから借入れが必要になる訳ではない。」ということです。
裏を返せば、「儲かっていても借入れが必要な場合がある。」ことになります。
黒字の場合、取引条件のギャップを埋めるための借入れは比較的安全な借入れです。
単純に取引先への支払いを遅らせるか、銀行から借りるかだけの違いですので、積極的に借入れを活用することをおすすめします。
利益だけで手元キャッシュを潤沢にするのは簡単なことではありません。
キャッシュリッチな会社は借入れを上手に活用して手元資金に余裕を持たせています。
借入れを活用して資金繰りに余裕を持たせたいとのご相談は、弊所ホームページのお問い合わせフォームより、
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