【実践コラム】リスケジュールの依頼は憂鬱ですか


…金融機関との感情的な関係悪化を心配する必要はありません

先日、ある関与先様のリスケジュールの期限延長を依頼するため銀行を訪問しました。
総額2億円以上の借入がありますが、丸2年金利しか払っていない状況です。
今年で3度目のリスケジュールを依頼するための訪問になります。

そもそもリスケジュールとは、業績悪化などで返済が厳しくなった際、一時的に返済額を引き下げる条件変更契約を締結することです。基本的に最初から複数年の返済猶予を認められることはありません。1年間の条件変更契約を締結して、1年毎に状況を見ながらその後の対応を決めるというのが一般的です。
条件変更後の返済額は、足元の業績や経営改善計画書等を参考にして、金融機関との話し合いで決まります。

話し合いのポイントは無理な返済を約束しないことです。当初の契約を違えるという負い目がありますので、ついつい今の実力よりも多めに返済する約束をしてしまったり、早期に正常返済が可能になると説明したりしてしまいます。きちんと返済をしたいという動機善の行動ですが、無理をしてもう一度約束を違えることになれば、さらに信用は失墜してしまいます。

一旦歯車の狂った経営を建て直すのは容易ではありません。時間をかけてじっくりと取り組む覚悟が必要です。心苦しい気持ちはありますが、思い切って2年間は返済出来ない計画を作ってみてはどうでしょうか。返す返すと言いながら、ずるずると期限を延長されるより、2年間返済を待ってもらって、すっきりと立ち直る方が金融機関も嬉しいはずです。

冒頭の関与先様も当初から2年間は返済が出来ないという計画でしたので、昨年までは予定通りでした。しかし、今回は計画の未達による再延長の依頼です。嫌味な対応をされるのか、強硬な姿勢で回収を迫られるのか、いろいろなことを想定しながら覚悟を決めて訪問しましたが、金融機関は極めて紳士的に対応してくださいました。

リスケジュールはその後の金融機関対応が非常に重要です。当事務所では定期的に試算表と資金繰り表を提出し、随時営業状況なども報告していました。
経営改善に向けた取り組み状況の報告と、赤字幅の縮小を評価していただき、3度目の0円リスケジュールも前向きに検討してもらえることになりました。

本来の目的はリスケジュールではなく経営の改善です。
適当な経営改善計画書を提出してリスケジュールを実現しても、その後の対応が適切でなければ金融機関との関係は悪化してしまいます。
金融機関の協力が無ければ本来の目的は達成されません。

当事務所では、当初からその後のフォローも意識した経営改善計画書を作成し、リスケジュールをスタートラインとして、その後の対応まで責任を持って行います。
当事務所が関与している案件には、本件のように返済額0円でリスケジュールを継続しているケースもあれば、1,000万円以上の利益を上げながらリスケジュールを継続しているケースもあります。いずれの関与先様も金融機関との関係は良好です。

金融機関との関係が気になる社長様、ご相談は無料です。
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