【実践コラム】中小企業に適した財務戦略・財務管理手法とは
…多岐に渡る経営管理項目から何を優先すべきかを考えます
経営者が実行するべきことは多岐に渡ります。
ある程度の規模になれば、複数名の役員で役割分担が可能ですが、中小企業においては、実質的な経営者は社長1人であるため、とても全てを実行することなどできません。そうかと言って、一部だけなら実行出来ているかというと、「実はその一部も実行できていない」というのが実態ではないでしょうか。
理由は、「経営者が実行するべきこと」がそもそも整理できていない、仮に整理できていたとしても、「何を優先的に実行すべきか」が分からないためです。
まず、「経営者が実行するべきこと」から見てみましょう。
経営者が実行することは、「決定すること」と「管理すること」です。
■ 決定すること
・経営ビジョンの決定(中長期的なゴールのイメージ)
・マーケティング戦略の決定
・人事戦略の決定
・販売戦略の決定
・財務戦略の決定
・業務プロセスの決定 etc
■ 管理すること
・売上高の管理
・原価の管理
・固定費の管理
・資金の管理
・人材(育成)の管理
・業務オペレーションの管理 etc
中小企業の中で上記を網羅できている企業様はどれくらいあるでしょうか。殆ど無いに等しいと考えますが、それは当然のことです。当たり前のことが当たり前に出来ていない状態で「戦略」を考える余裕はありませんし、少ない経営資源を「管理するための業務」に費やすことなど本末転倒です。よって、ほとんどの中小企業様は、短期的な視点、かつ、どんぶり勘定で運営されることになります。しかし、このような状態では、いつまでもたっても中小企業から脱却することはできません。「何を優先的に実行すべきか」を明確にし、一部だけでも実行に移すことが大切です。
当事務所では、まずは「資金(現預金)の管理」から着手することを推奨しています。資金はあらゆる経営課題に優先するためです。資金管理といっても、今月末、来月末の資金を管理することではなく、「6ヶ月から1年先の資金状況」の予測管理を行います。6ヶ月先の現預金残高を○百万円にするためには・・・売上高が○円必要、粗利益率が○%必要、固定費を○円にコントロール、銀行融資が○円必要・・・といった打ち手を検証し実践していく方法です。
結局最後は資金が必要になります。多岐に渡る項目を管理しながら、最後に資金にアプローチするよりも、資金の管理からスタートして、6ヶ月から1年先の資金の最大化に必要な項目だけを管理する方が無駄はありません。シンプルで分かりやすい管理手法であり、本質的なポイントを的確に捉えられます。
当事務所では、年商1億円未満の企業様でも取り組める財務戦略と、財務管理手法を日々研究しています。中小規模事業者に最適な、「資金管理を軸とした経営管理システム」のプログラムは完成しています。是非、導入をご検討ください。