【実践コラム】リスケは後ろ向きではありません


…リスケを上手に活用して業績の回復を目指しましょう

資金繰り円滑化法が終了した現在でも、リスケジュールに関するご質問をよくお受けします。
ご来所された社長様は一様に、「後ろ向きの話なので相談しにくくて・・・」とおっしゃいますが、リスケジュールは決して後ろ向きではありません。
将来のキャッシュフローを回復させるための前向きな対応策です。
後ろ向きだと考えていると、下記のような過ちを犯してしまいますので気をつけてください。

■ 資金が枯渇する寸前までアクションを起こさない。
数か月後には銀行の口座が空になることが分かっているにも関わらず、(リスケジュールは後ろ向きなので)安易なリスケジュールは避けたいという気持ちでギリギリまで我慢してしまいます。
本当に手元資金が無くなってからリスケをするよりも、ある程度の余裕を持ってリスケをする方が、その後の効果は高くなります。

手元資金に一定の余裕がある段階で金融機関がリスケジュールに応じてくれるのか?という疑問もあるでしょう。しかし、手元資金に一切の余裕を持たずに企業経営を行うことなど出来ません。
当然金融機関も理解していますので、一定の資金を保有することは認めてくれます。

当事務所が財務部長を務めている工事業のお客様は、年商3億8,000万円で約2,500万円程度の資金を保有していますが、継続してリスケジュールをお願いしています。大きな受注を取った時には材料代や外注費の先払いが発生する可能性がありますので、最低でも手元資金が月商の1か月分、3,000万円強
になるまではリスケジュールの継続をお願いするつもりです。

■ 無理して返済をしようとする。
(リスケジュールは後ろ向きなので)出来る限り最大限の金額を返済したいと考えます。
仮に毎月100万円の返済をしていた場合、せめて30万円だけでも返済します。といった具合です。
会社にとって、この30万円を返済することに論理的なメリットはありません。
30万円を1年間、360万円の資金を返済に充てるよりも、商品の仕入とか、営業マンの雇用とか、前向きな資金に使う方が、よほど将来の可能性が高まります。中途半端な金額を返しながらズルズルとリスケジュールを継続するより、返済の全てを一旦止めてしまい、一気に業績回復を狙った方が金融機関にとっても良いと思います。

繰り返しますが、リスケジュールは「返済を一時的に止めることで将来のキャッシュフローが回復する。」という前向きな対応策です。
逆に「返済を一時的に止めても将来のキャッシュフローが回復する見込みはない。」という後ろ向きの話であれば、リスケジュールには応じてもらえません。

当事務所では、リスケジュール後の返済額を0円で経営改善計画を立案し、金融機関にもご理解いただいた実績が多数ございます。また、当初はリスケジュールの相談で来所されたけれども、借り換えで対応してリスケジュールを回避した事例もございます。
資金面に少しでも不安があれば今すぐご相談ください。
早ければ早い方が良い結果を出せます。